規模の経済性と経験曲線効果をわかりやすく解説 | コストを下げるにはどうすればよいか

経営学

起業アイデア・ビジネスアイデアを形にするときに最も重要なこと。

それは利益を得ることです。

好きなことをビジネスにする場合であっても、霞を食べて生きていることはできないのです。

好きなことであっても利益を出していく必要があります。

利益を出すには単純です。以下の式をご覧ください。

利益=販売価格-費用

つまり費用(コスト)が安くないと利益は出ません。

ところがビジネスの初期には、このコストが安くならないのです。

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創業期にコストが高くなる理由とは

創業期の場合、コストはどうしても高くなります。

製造業であれば、いきなり製造設備を建設するわけにはいきません。

軌道に乗るまで、外注(OEM)したり、少量のプラントでの製造を考えるはずです。

OEMに出す場合は、工賃を取られるためどうしても費用は高くなります。

また少量プラントで製造する場合、非効率的な製造である場合が多いためやはり費用は高くなります。

どうしても最初は非効率的になってしまう。

この原因こそ、この記事のメインテーマ「規模の経済性」と「経験曲線効果」です。

初期の製造コストが高い理由

初期の製造コストが高い理由は規模の経済性が働かず、また経験曲線効果が見られないからです。

ここで今回のメインテーマとなる、

規模の経済性と経験曲線効果に関して説明したいと思います。

規模の経済性とは

規模の経済性とは、

企業(工場)の規模が大きくなるに従って、1製品あたりの費用が下がっていく現象のことです。

1製品当たりの費用が下がるということは、製品を2倍生産した場合、費用は2倍未満となるということです。

素材メーカーなどの装置産業ではこの規模の経済性が良く働きます。

素材産業では製品を製造する際には反応容器を使います。

製造スケールを増加させる場合、反応容器を数倍に大きくしていきます。

ところが反応自体は同じで、スケールアップによって余計な作業が増えない場合、

同じ作業員で数倍を製造することになります。

この場合、固定費(人件費)は一定ですが、製造量は増加することになりますので、

1製品当たりの費用は下がります。

つまり規模の経済性が働いている状態となります。

経験曲線効果とは

経験曲線効果とは製品の累積生産量が増加していくにしたがって、コストが減少していくという経験則のことを言います。

製品の累積生産量が増加するに従って、組織に製造のノウハウが蓄積していきます。

不必要であった工程、改善によって効率化された工程などの現場のノウハウが蓄積する結果、単位当たりのコストが下がるのです。

メーカーは小集団活動など絶え間なく品質、コスト、安全の改善を繰り返しているのです。

累積生産量の増加に伴って、小集団活動などの組織学習が蓄積していきます。

製造コストを無視できる市場とは

コストをいかに下げるかが、ビジネスの課題です。

ただし一部の製品はコストを無視することができます。

いわゆるニッチ市場へ製品を投入する戦略です。

ニッチ市場の場合、供給業者も少なく、競合はほとんどいません。

このような市場では価格を自由に設定できます。

利益=販売価格―費用

販売価格を自由に設定できますので、多少費用が高くても利益は確保できます。

資本力が少ないベンチャー企業であれば、まずはニッチ市場を考えるべきです。

ですがこのニッチ戦略の場合、市場が小さいため、成長に限りがあります。

小銭を稼ぐには最適ですが、さらにその先の事業拡大に至るには市場があまりにもせまく、面白みがありません。

やはり市場がある程度おおきい規模で戦うにはコストを下げる努力をしなければならないのです。

コストを下げるには

いきなり製造スケールを大きくするのはリスクが大きすぎます。

製造スケールを増やすには、製造技術検討が必要となり、

ある程度の技術力が必要なのです。

コストを下げるのに、まず初めに経験曲線効果を活かすことです。

製造現場では小集団活動で様々な工程改善を行います。

作業動線を変えたり、不要な作業を減らすだけでもコストが改善されます。

例えば最終検査で工数の多い分析をしていた場合、

その分析を10ロットに1回にするだけでも人件費の大幅な削減になるでしょう。

このように、製造現場は改善の宝庫なのです。

経営者は会計とにらめっこだけをするのではなく、

現場をよく見ることをお勧めします。

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