移動障壁を分かりやすく解説 | 将来の方向性を決めてしまうブランド戦略

経営学

製品はモノを作っただけでは不十分です。
誰に売るか、品質、価格を決定していく必要があります。
そして品質や価格をもとに、ブランドイメージを作り上げなければなりません。
時にはストーリーがその製品のブランド化に役立つでしょう。
あるいは高級原材料の使用に特化して付加価値を上げるかもしれません。
製品にどのようなブランドイメージを付けるか、すなわちブランド戦略はよく考えて立案する必要があります。

特に始めが肝心です。
例えばビジネスを始める際に、高級路線でブランディングしたとしましょう。
あなたはライバル企業と製品・サービスの差別化ができなかった場合、価格を下げようとします。
しかし安易に価格を下げてしまうと、チープなイメージが付いて、ブランドイメージを傷つける可能性があります。
チープなイメージが付いたせいで、ブランドのファン層は離れていくかもしれません。
高級路線でブランディングした場合、安易に価格を下げてはいけないのです。
この記事では、いったんブランド化した製品・サービスはイメージを崩すような戦略は取れない理由を説明していきます。
理由は参入している市場と、別の市場の間には移動障壁があって、乗り越えることが難しいからです。
この移動障壁の考え方を分かりやすく解説します。

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移動障壁とは

移動障壁とはあるブランド路線で競争している企業が、別のブランド路線で競争しているグループに参入する際に困難にする要因のことを意味します。


例えば高級ブランドで有名なシャネルが、同時に安価路線のブランドを立ち上げることは困難なのです。最初は物珍しさで購入するかもしれませんが、やがてシャネルというブランド価値を下げます。
チープというレッテルが付き、従来の高級ブランドのイメージを傷つけてしまいます。
このためシャネルは高級ブランド同志で競争していくことになります。
安価なブランド市場で戦うことはできないのです。


社会が好景気であれば、貯蓄から消費へと変化していきます。
つまり人はお金を使うようになります。このような状況であれば、付加価値が高い、高級ブランド品をこぞって購入します。
しかし景気が傾けば状況は一変します。
人のマインドは消費から貯蓄へ変化しますので、より厳選して商品を購入するようになります。
その商品の持つストーリーは軽視され、実用性、価格を重要視するようになります。


このような段階において、高級ブランドで販売していた会社は、安価で実用的なブランドへ方針を転換しようと考えるかもしれません。
しかしこれが命取りになる事が多いのです。

最初のブランド戦略が肝心


最初に高級路線でブランド化してく場合、景気変動によって不利になろうが、最初の路線を進むべきなのです。
そもそも最初のイメージそのものが移動障壁となって、対極になるブランド路線へ舵を取ることはできないのです。

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